2014年11月11日火曜日

20141111 J arthroplasty The equivalance of remote electronic and paper patient reported outcome(PRO) collection

いま自分がとりかかっている研究に関連する報告です。
日本語だとWebで患者情報を取得するということはほとんどありませんね。。
JOABPEQなどはアプリが有りますが、その妥当性を検証した論文はありません。
今後僕自身このようなシステムを開発できればと思っています。

抄録
患者立脚型評価(PRO)は臨床現場でその重要性が増してきている。もし、Web上で患者立脚型評価を取得できると遠隔地にいる患者でもその状態を聴取することができる。randmised crossover studyで、47例の股関節術後の患者。Group1は紙で患者立脚型評価を取得してその1週間後にWeb上で登録した群。Group2はまったく逆の順番で患者立脚型評価を取得した。OxfordHipScore(OHS)の級内相関係数(ICC)は0.99、その他の臨床評価でも0.95-0.97と良好な成績であった。OHS、McCathy、UCLAスコアのいずれもWeb Based システムは紙ベースと同様の信頼性が有ることがわかった。

Introduction
PROは患者の状態を把握するためのツールとしてその重要性が増してきている。PROは医療現場で調査のためのツールとして発展してきたが、現在はそれだけでなく医師患者間での意思決定ツールとしても使われるようになってきている。一方、電子版を使用することでより容易にPROを取得している施設もある。病院で特に長期間のフォローが必要な場合には遠隔地に離れていてもWeb版であればいつでもアクセスが可能である。
本研究の目的は股関節の評価に用いられるOHS、McCarthyHip、UCLAスコアについてWeb上で収集したデータが紙で収集したデータとどれほどの整合性があるかを調査することである。

対象と方法
2009年にISPORが提唱したPROを電子版で取得するためのガイドラインにしたがって研究を計画した。PROと紙バージョンの間の整合性がどの程度有るかを検証することを目的とした。
PROの取得は研究病院の日常診療での取得タイミングに合わせて行なわれた。結果は医療者、患者の両方が閲覧できるようなシステムとした。OHS、McCarthyHip、UCLAスコアをデータとして取得することとした。
同等性の評価のために、紙とWebの両方でデータを取得した。この2つの間で得られた結果がMinimally importnat difference(MID)を超えないことが必要である。MIDは
もっとも多く用いられているのは標準偏差の1/2と設定することである。今回もその方法を用いた。
パラレルグループとすると各群234例が必要であると計算されたが、cross over にすれば症例数が少なくて済むことがわかり、再度計算を行い各群47例と設定した。
倫理委員会の同意を得てFAIに対してOpenでデブリードマンを行った患者を対象に研究を行った。Group1は先にWebで回答してから紙で回答。Group2は紙で回答してからWebで回答した。それぞれの回答には1周間の間をおいた。1週間という期間設定はその間では回答が変化しないだろうと考えられたからである。67例の患者に対して調査を行ったが、うち19例が回答を完遂出来なかったため完遂した47例についての検討を行った。27例はGroup1、20例がGroup2となった。
Group1とGroup2の結果を合わせて検討を行った。Web版と紙版のICCを計測した。
結果
平均変化量はGroup1が0.1、Group2が0.7であった。Group1とGroup2を合わせた検討ではICCは0.98であった。
考察
PROはその信頼性、妥当性、反応性が担保されることによって意味をなす。
今まで術前、術後のPROの評価がなされて来たものの、今後は慢性期などにも応用されていくのかもしれない。
紙でのデータ取得ではその結果を反映させるのに時間がかかる。Web版であれば、術後や長期フォロー中にリアルタイムでその結果が患者、医療者双方に提示され、治療に反映できるようになる。そしてわざわざ病院に来なくても評価することが可能と鳴るかもしれない。
Web版でデータを収集することで他の患者さんにデータを提示することも容易となるであろう。またWebでデータを収集することで回答間違い、回答飛ばしなどのミスが減ることが期待される。
コンピューターを用いる方法それ自体は新しいものではない。今までに46編の論文が報告され、紙とコンピュータの間では同等性が担保されていることを報告している。これらの報告ではコンピュータの方が回答率が良かったことなどが示されている。WebBasedの報告は本研究以前には強直性脊椎炎についての一編しか報告がない。遠隔で聴取してもその信頼性が担保されたことが本研究の強みである。

2014年11月9日日曜日

20141108 名古屋股関節セミナー

セメント人工関節 大塚先生
セメントガンはセメントを単なる充填する道具であり、ガンを用いたからといってセメントボーンインターフェイスに圧がかかるわけではない。

出血対策 自己血について 岩瀬先生
MSBOS 平均出血量の 1.5倍
患者さんの状態を反映したものではないので余剰が多くなる。
自施設の平均出血量を一度調査してみるひつようがある
トラネキサム酸の投与 術中局所投与も効果があるか?
セメント寛骨臼固定。 iliac wingの穿刺する方法も。めちゃ
出血することもあるので注意。

脱臼対策 山内先生
iliofemoral impingement 坐骨と小転子のインピンジメント

SSI対策 北村先生
手洗いの前の予備消毒は有用。抗生剤投与はなかなかガイドラインが守られない
DVT対策 北村先生
COIで問題がある人を排除した第9回ACCPガイドラインではほとんどの薬剤が推奨レベルが下がった。