2018年3月12日月曜日

20180312 CORR CORR Dual-mobility Constructs in Revision THA Reduced Dislocation, Rerevision, and Reoperation Compared With Large Femoral Heads

CORRから。
頻回脱臼に対する再置換術は非常に悩みます。設置の異常が原因であれば正しいインプラントの設置によって対応が可能となりますが、設置の異常がはっきりとしない場合には骨頭径の拡大にて対応せざるをえないと考えます。
最近Dual Mobilityが上梓されました。このような頻回脱臼の症例には有用なのかもしれません。ただし、あくまでも後ろ向き研究であり、そのフォローも短いことからその適応については慎重にあるべきと考えます。

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  • 背景 人工股関節再置換術後の主要な合併症の1つに脱臼がある。Dual mobilityは2つのコンポーネントによって制限なく、脱臼のリスクを低下させると考えられている。しかしながら大径骨頭による再置換よりもDual mobilityによる再置換が有用であるというのは明らかとなっていない。
  • 臨床上の疑問 大径骨頭よりもDual mobilityの方が再置換における脱臼を減少させるか
  • 方法 2011年から2014年。Dual mobilityによって再置換された146例、40ミリ骨頭によって再置換された209例。置換の基準は術者によって決定された。匡史Dual mobiltyは脱臼の危険が高いと考えられる患者で多くもちいられた。Dual mobility群は146例中二0例が術後2年のフォローが出来なかったものとDual mobilityをセメント固定したものを除外した。Dual Mobility 群は3.3年±0.8年、大径骨頭軍は3.9年±0.9年のフォローだった。Primaryエンドポイントは脱臼、脱臼にともなう再置換、または再手術とした。年齢、BMIは二群間で違いを認めなかった。Dual Mobility群で女性の割合が多かった。Dual Mobility群の33%が反復性脱臼によるものであったのに対し、大径骨頭群では9%であった。
  • 結果 脱臼の頻度はDual Mobility群が3%、大径骨頭群が10%と有意にDual Mobility 群が低かった。脱臼にともなう再再置換術の頻度はDual Mobility群が1%、大径骨頭群が6%であった。すべての理由による再手術はDual Mobility群が6%に対して大径骨頭群が15%であった。両群で合併症の発生率の差をみとめなかった。
  • 結論 Dual Mobilityによって再置換された患者群では第京骨頭によって再置換された群よりも脱臼率、脱臼にともなう再々置換術、あらゆる理由による再置換術のリスクが低かった。選択バイアスの存在にもかかわらず今回の結果が得られた。これらの結果を踏まえて脱臼による再置換術においてDual Mobilityの適応が拡大するのかもしれない。

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