2018年3月7日水曜日

20180307 CORR Randomized Clinical Trial of Direct Anterior and Miniposterior Approach THA Which Provides Better Functional Recovery?

  • どのアプローチをえらぶかというのは未だに議論のあるところである。幾つかの報告では後方アプローチに比べてDAAの萌芽筋肉のダメージが小さいと言うことを報告している。しかしながらDAAは技術的に難しく、コンポーネントのマルアライメントや合併症と関連していることから本当に早期の復帰が可能かといったエビデンスは殆ど無い。
  • 臨床上の問:1)DAAは後方アプローチに比べて早期の日常生活への復帰を可能とするか。2)後方アプローチよりもDAAのほうが患者立脚型評価がたかいのか。3)後方アプローチよりもDAAのほうがレントゲン評価ですぐれるか4)DAAは後方アプローチよりも合併症が少ないか
  • 方法 2013年から2016年。116例の片側初回THA。DAAと後方アプローチが無作為割付された。15例が無作為割付後に辞退した。1例が術後6ヶ月で脳梗塞のため死亡した。DAA群52例。後方アプローチ群49例。割付後に、DAAは1人の医師が、後方アプローチは3人の医師が行った。年齢、性別、BMIでは差を認めなかった。機能評価としては補装具無しでの歩行可能時間、痛み止めの使用なしで要られた時間、歩数計、日常生活強度を比較した。臨床評価としてはWOMAC,SF12、HHSにて評価を行った。最小評価期間は365日であった。
  • 結果 歩行器が外れる時間、補装具無しで歩ける時期についてDAAは後方アプローチよりも優れていた。術後1年での歩数計の結果は変わらなかった。レントゲン写真上の評価は変わらなかった。脚長差、インプラントの設置、オフセットなどでは大きな以上を認めなかった。合併症についてもDAAと後方アプローチ感では差を認めなかった。
  • 結論 DAA、後方アプローチのいずれも合併症率が低い結果となった。DAAの方が復帰がやや早い傾向にあった。歩数計によるデータでは術後2ヶ月で差が見られなくなった。DAAはまだ充分研究されたアプローチとは言えないので、1年以降で合併症が発生している可能性があり、定量化が重要で、もしかすると早期の有利な点を相殺する可能性がある。
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よく練られたRCTによってDAAと後方アプローチを比較した論文。
Primaryエンドポイントが何かわかりませんが、もし合併症であるならばもっとN数が必要だと思います。
得られた結論は妥当だと思います。




2 件のコメント:

  1. 私は、アライメント優先後方アプローチはですが、最近手術したTHAの患者様は70歳を超えてたのですが、1週も経たずに杖なしで歩けてさっさと退院していきました!術前でも、患者の陽気さでも大きく変わるように思いますね。

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    1. その通りだと思います。
      術前の患者さんの状態によるところが大きいのではないでしょうか。
      術者側からは自分が修練を積んだアプローチを間違いなく患者さんに提供することが重要だと思っています。

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