2013年1月2日水曜日

20130101 JBJS(Am) Lower tourniquiet cuff pressure reduce postoperative wound complication after total knee arthroplasty RCT of 164 Pt

あけましておめでとうございます。
このブログも4年目に凸乳しました。笑

ブログを書き始めた当初は田舎で、誰も教えてくれない中で勉強を続けていくひとつの手段として捉えていました。

そして、ブログを書いてゆくにつれて、医者の経験則によっていることの多い整形外科分野の診療を少しでもエビデンスに基づいたものにできないか、なんてことも考えるようになりました。
少しでも適切な、より妥当な治療を提供したいと考えながらやっておりますが、現実の社会にすべて適用することの難しさも痛感しております。

このブログは建築で言えば基礎になる部分です。残念ながら僕自身の積み重ねてきた基礎は、今現在まだ大きなビルを建てるだけの基礎には至っていないというのがブログ主の実感です。

ただ、2009年に書いた内容をみると少しづつ強化されてきたな、というのも実感としてあります。

少しずつ勉強を積み重ね基礎を強化し、情報を発信していくことで大きなビルを建てるきっかけを見つけることができたら幸せだろうなと考えながら今年一年も少しずつすすめていきたいと思います。

さて、今年一つ目の論文です。

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背景
下肢の動脈圧を測定し、より低い圧でターニケットをかけれれば術後の疼痛や合併症を減らせるのではないかと考えこの研究は行われた。主たる目的は”下肢阻血圧法”をもちいればそれを用いたい患者に比べて術後の疼痛を減らせるかどうかを調べることであり、第二の目的としては無血野の状態、関節可動域、術後合併症の存在が減らせるかをしらべるものである。

方法
TKA予定の164人の患者を無作為に割りつけた。コントロール群としては古典的に行われているように術者が収縮期血圧をもとに適当に駆血圧を決定する方法をとった。LOP(the limb-occlusion-pressure)群は実際に下肢の血流が途絶する圧を測定し、その圧で駆血を行った。
主たるアウトカムとしては術後の疼痛、第二のアウトカムとしては無血野の状態、膝の運動、術後の創治癒に関する合併症について退院時、術後2ヶ月の時点で測定した。

結果
コントロール群よりもLOP群の方が有意に駆血圧が低かった。術後の疼痛、合併症について二群間で有意な差を示すことはできなかった。
しかしながら、退院時に創傷治癒の合併症をきたした47例中40例、術後2ヶ月の段階で創のトラブルが合った16例中14例で駆血圧が225mmHg以上であった。

結論
LOPは無血野を損なうことな駆血を得る手段として有用である。2群間に術後疼痛、創治癒に有意差をみとめなかった。ただ、駆血圧が225mmHgの患者群では術後の感染、創治癒合併症が少なかった。

<論評>
ターニケットの圧も研究のネタになるのですね。。。普段何も考えずに250くらいに設定して手術しておりました。。。
こうしたちょっとした事に普段の研究ネタは転がっているのかもしれません。


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