2011年9月19日月曜日

20110918 骨折治療学会研修会アドバンスコースを受講してきました。その1

骨折治療学会が主催する骨折治療学会研修会アドバンスコースを受講してきました。

骨折治療学会研修会HP

アドバンスコースの受講生だけで300人!!
脊椎を除く全ての骨折をこの2日間だけに!ということです。
しかも各分野のエキスパートを連休のさなかにあつめていただけるとは幸せだなあと感じました。
これだけの多くの人数に対して研修、教育を提供しよう!という関係者各位の熱意にはホントに頭が下がります。

ただ、多くの人に、一度にたくさんのことを提供しよう!としすぎている感は否めませんでした。
折角各分野のexpertの先生方のお話なので、一人1時間くらいあっても良いかなあと。そのために、上肢と下肢にコースを分けるとかの工夫はあっても良かったかなあというのが一日目を聴講させていただいた感想です。

さてさて、セミナーのまとめです。

総論 帝京大学 渡部先生
海綿骨を層で考えると軟骨直下の層は壊れることなく、4番目くらいの層に応力が集中して壊れる。これが脛骨高原骨折で関節が落ち込むときによくみられる形。半月板は応力の緩和効果に優れる。

joint congruityの計測評価
・整復の程度をX線写真だけで評価することは難しい。
・癒合した骨折の評価はもっと難しい。
・CTを用いると計測精度が高くなる。

過去の臨床研究からの知見として得られていることが、整復が良いからと行って臨床成績が必ずしも良いわけではなく、レントゲン写真でOAになっていても必ずしも臨床成績が悪いわけではない。

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関節内骨折の発表はCTを用いるべきかと考えました。
確かに、外傷を扱っている人間として悩ましいところで、綺麗に骨癒合が得られていても痛みが残ったりすることは稀ならず経験します。ひとつは多変量解析などの統計学的手法を用いて新たに手術以外にも介入できるポイントを探すことが一つ。もう一つは手術の技量をあげて低侵襲で正確な手術を粛々と行うというのが僕達にできることでしょうか。

関節内骨折の診断と分類 君津中央病院 田中先生
レントゲン写真を読むときにはまずは軟部組織から”s-ABC”
soft tissue,alignment,bone,cartilage
CTは絶対必要。また術中には透視で評価をするため、斜位像もとっておくと術中イメージ像との比較ができて役立つ場合がある。
骨折の分類はAO/OTA分類を。この分類に加えて各骨折の特異的な分類を用いる。

肩甲骨骨折”関節窩骨折並びに肩甲帯部複合損傷の治療”
順天堂大学付属静岡病院 最上先生

肩甲部複合損傷の治療目標は肩関節のcongruityとpower translationの再建が目標。
再建の順序としては鎖骨骨折の修復が鍵。
近位から遠位へ。前方から後方へ。

アプローチは肩甲窩前縁と烏口突起の骨折は前方アプローチで。それ以外の肩甲骨骨折は後方アプローチで。
後方アプローチは側臥位。肩関節挙上後方アプローチで。

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