2011年6月22日水曜日

20110622 JBJS(Am) Radiation exposure issues in orthopaedics




整形外科領域の被曝としてはCTとC-armによるものが問題となる。

C-armを使って仕事をしている整形外科医は病院内で放射線を利用している部署の5倍も癌死が多い。
FDAからも不要なCTの撮像、透視の使用を減らすこと、シンチグラムなどを減らすようにアナウンスしている。
実際の対応方法
どれくらいまでの被曝量なら大丈夫か、という点についてはいまだ議論の残るところであるが、被曝量を低減することやその方法について知っておくことは必要である。
被曝線量を減らすためには”DEBT”の4つの要素に気を配ることが重要である。
D:Distance ,E:Exposure, B:Bareer, T:technique
D:distance and positioning
まずは線源から距離をとることが重要である。放射線はほとんど直進するが、一部分散している。放射線量は距離の2乗ずつだけ減衰するので、2倍距離をとれば放射線量は1/4となる。昔から”6フィート(約2m)線源から離れなさい、こうすれば放射線のリスクはゼロになる”と言われているが、最近の研究によればその格言に従うと、20フィート(約6m)はなれた場合の40倍の放射線量を浴びているということとなってしまう。
道具の使い方をいくつか工夫するだけで放射線量の低減につながる方法がある。
放射線の発生する側をテーブルの下に回すこと。イメージインテンシファイアと患者側と同じ側に立つと劇的に被曝量が減少する。
この方法は容易に行うことができ、全身の被曝量低減には有効である。しかしながら体の保護されていない小さな部分ではかえって被曝量が上がることがある。そこで、適切なポジショニングを行うことでスタッフの被曝量を減らすようにしなければならない。
Carmの弧の中の放射線量は極めて高い。イメージインテンシファイアと透視部位との距離をなるべく近くすることで被曝量が減少する。

1センチでもいいので、放射線源から離れるような努力が必要である。古くから言われている先に記載した”6フィートルール”で、十分なほど線量の低減は得られるものの、全くゼロではないと言う事をキモに銘じておく必要がある。

E:Exposure
どの程度の時間被爆するとどれくらいの影響があるのか、と言う事については分かっていない。しかしながら透視の時間を減らすようにすると被曝量が低減するというのは本能的に理解できる。
そこでとりうる方法としては連続で透視を出しっ放しにするのではなく、スポットタイプのものに切り替えるとよい。アラームは5分ごとになるようなものを採用したほうが良い。オペレーターがイメージの画面を見ていないときにはスイッチを入れっぱなしにしない、という工夫だけで十分な放射線量の減少が得られる。

B:using of Barrier
鉛入りのエプロンを使用することは有用である。1mmの鉛の暑さがあれば90%の散乱放射線を防ぐことができる。しかし鉛のエプロンですべて防護できるわけではない。
片付け方が悪かったり、折り曲げてしまってしまうとその防護効果は減少してしまう。AAOSの最近の報告では30‐60%程度しか被曝量が減少しなかった、と言う報告もある

Carmを操作する人が被曝量の低下では最も重要な役割を担う。鉛の板や、コリメーターと言った器械を使うことで少しでも放射線の減少に努めなければならない。散乱放射線がこのような機器を使うことで減少するため患者全体への被曝量も低減することが予想される。

T: Technique
既に分かっているところではイメージを使わないようにする。
倍率を上げる機能を使うと放射線量が多くなるのでできるだけ使わないようにする。




<論評>
少しの工夫でだいぶ被曝量は下がるようです。

この対策を実施する前と実施したあとでどれくらい被曝量が変化しているか調べてみると良いと思います。

また術中CTなどはものすごい被曝量になっているのではないでしょうか。一度ガイガーカウンターを持っておじゃましたいところです。笑

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