いま自分がとりかかっている研究に関連する報告です。
日本語だとWebで患者情報を取得するということはほとんどありませんね。。
JOABPEQなどはアプリが有りますが、その妥当性を検証した論文はありません。
今後僕自身このようなシステムを開発できればと思っています。
抄録
患者立脚型評価(PRO)は臨床現場でその重要性が増してきている。もし、Web上で患者立脚型評価を取得できると遠隔地にいる患者でもその状態を聴取することができる。randmised crossover studyで、47例の股関節術後の患者。Group1は紙で患者立脚型評価を取得してその1週間後にWeb上で登録した群。Group2はまったく逆の順番で患者立脚型評価を取得した。OxfordHipScore(OHS)の級内相関係数(ICC)は0.99、その他の臨床評価でも0.95-0.97と良好な成績であった。OHS、McCathy、UCLAスコアのいずれもWeb Based システムは紙ベースと同様の信頼性が有ることがわかった。
Introduction
PROは患者の状態を把握するためのツールとしてその重要性が増してきている。PROは医療現場で調査のためのツールとして発展してきたが、現在はそれだけでなく医師患者間での意思決定ツールとしても使われるようになってきている。一方、電子版を使用することでより容易にPROを取得している施設もある。病院で特に長期間のフォローが必要な場合には遠隔地に離れていてもWeb版であればいつでもアクセスが可能である。
本研究の目的は股関節の評価に用いられるOHS、McCarthyHip、UCLAスコアについてWeb上で収集したデータが紙で収集したデータとどれほどの整合性があるかを調査することである。
対象と方法
2009年にISPORが提唱したPROを電子版で取得するためのガイドラインにしたがって研究を計画した。PROと紙バージョンの間の整合性がどの程度有るかを検証することを目的とした。
PROの取得は研究病院の日常診療での取得タイミングに合わせて行なわれた。結果は医療者、患者の両方が閲覧できるようなシステムとした。OHS、McCarthyHip、UCLAスコアをデータとして取得することとした。
同等性の評価のために、紙とWebの両方でデータを取得した。この2つの間で得られた結果がMinimally importnat difference(MID)を超えないことが必要である。MIDは
もっとも多く用いられているのは標準偏差の1/2と設定することである。今回もその方法を用いた。
パラレルグループとすると各群234例が必要であると計算されたが、cross over にすれば症例数が少なくて済むことがわかり、再度計算を行い各群47例と設定した。
倫理委員会の同意を得てFAIに対してOpenでデブリードマンを行った患者を対象に研究を行った。Group1は先にWebで回答してから紙で回答。Group2は紙で回答してからWebで回答した。それぞれの回答には1周間の間をおいた。1週間という期間設定はその間では回答が変化しないだろうと考えられたからである。67例の患者に対して調査を行ったが、うち19例が回答を完遂出来なかったため完遂した47例についての検討を行った。27例はGroup1、20例がGroup2となった。
Group1とGroup2の結果を合わせて検討を行った。Web版と紙版のICCを計測した。
結果
平均変化量はGroup1が0.1、Group2が0.7であった。Group1とGroup2を合わせた検討ではICCは0.98であった。
考察
PROはその信頼性、妥当性、反応性が担保されることによって意味をなす。
今まで術前、術後のPROの評価がなされて来たものの、今後は慢性期などにも応用されていくのかもしれない。
紙でのデータ取得ではその結果を反映させるのに時間がかかる。Web版であれば、術後や長期フォロー中にリアルタイムでその結果が患者、医療者双方に提示され、治療に反映できるようになる。そしてわざわざ病院に来なくても評価することが可能と鳴るかもしれない。
Web版でデータを収集することで他の患者さんにデータを提示することも容易となるであろう。またWebでデータを収集することで回答間違い、回答飛ばしなどのミスが減ることが期待される。
コンピューターを用いる方法それ自体は新しいものではない。今までに46編の論文が報告され、紙とコンピュータの間では同等性が担保されていることを報告している。これらの報告ではコンピュータの方が回答率が良かったことなどが示されている。WebBasedの報告は本研究以前には強直性脊椎炎についての一編しか報告がない。遠隔で聴取してもその信頼性が担保されたことが本研究の強みである。
2014年11月11日火曜日
2014年11月9日日曜日
20141108 名古屋股関節セミナー
セメント人工関節 大塚先生
セメントガンはセメントを単なる充填する道具であり、ガンを用いたからといってセメントボーンインターフェイスに圧がかかるわけではない。
出血対策 自己血について 岩瀬先生
MSBOS 平均出血量の 1.5倍
患者さんの状態を反映したものではないので余剰が多くなる。
自施設の平均出血量を一度調査してみるひつようがある
トラネキサム酸の投与 術中局所投与も効果があるか?
セメント寛骨臼固定。 iliac wingの穿刺する方法も。めちゃ
出血することもあるので注意。
脱臼対策 山内先生
iliofemoral impingement 坐骨と小転子のインピンジメント
SSI対策 北村先生
手洗いの前の予備消毒は有用。抗生剤投与はなかなかガイドラインが守られない
DVT対策 北村先生
COIで問題がある人を排除した第9回ACCPガイドラインではほとんどの薬剤が推奨レベルが下がった。
セメントガンはセメントを単なる充填する道具であり、ガンを用いたからといってセメントボーンインターフェイスに圧がかかるわけではない。
出血対策 自己血について 岩瀬先生
MSBOS 平均出血量の 1.5倍
患者さんの状態を反映したものではないので余剰が多くなる。
自施設の平均出血量を一度調査してみるひつようがある
トラネキサム酸の投与 術中局所投与も効果があるか?
セメント寛骨臼固定。 iliac wingの穿刺する方法も。めちゃ
出血することもあるので注意。
脱臼対策 山内先生
iliofemoral impingement 坐骨と小転子のインピンジメント
SSI対策 北村先生
手洗いの前の予備消毒は有用。抗生剤投与はなかなかガイドラインが守られない
DVT対策 北村先生
COIで問題がある人を排除した第9回ACCPガイドラインではほとんどの薬剤が推奨レベルが下がった。
2014年10月2日木曜日
20141002 BJJ Total hip replacement through a posterior approach using a 22mm diameter femoral head
BJJから
最近のはやりだった大径骨頭、前方進入じゃなくてもいいんじゃね?という論文。
僕の個人的な経験として、上手な先生の後方進入は確かに脱臼しないんですよね。
猫もしゃくしも。。。。に一石を投じたという意味で面白いかと思って読んでみました。
抄録
長期の成績が明らかになっていないにもかかわらず、最近THAでは大径骨頭が使用される頻度が増加している。これは脱臼の防止に有効であるという観点からである。しかしながら、後方の関節包の再建は大径骨頭にするとの同じくらいの効果が有るのではないかとこの筆者らは考えている。2004年から2011年までに512例のセメントTHA。22ミリ骨頭を使用。臼蓋の横靭帯を指標にしてできるだけ正確にコンポーネントを設置。平均年齢67歳。平均フォロー期間は2.8年。術前術後のOxford Hip Score、SF12,
UCLAスコアを聴取。他覚的評価はAngeles Merle DAuiigneスコアを使用。カップの設置角をデジタルに計測。脱臼は4股、0.78%であった。結論として22ミリ骨頭、後方アプローチで会っても正しいカップ設置と関節包の再建で脱臼率は低くすることができる。
はじめに
脱臼はTHAの中で最も重要な合併症のひとつである。反復性になった場合にはその治療に難渋する。脱臼の約半分が術後3ヶ月以内に起こり、そのうちの35%から60%が反復性脱臼に移行する。脱臼の病因として考えられていることは、患者側の要因としては年齢、神経学的疾患が併存症として存在すること、軟部組織バランスが悪いこと、術前の関節可動域が良いことなどが挙げられる。インプラントの要因としては骨頭径、臼蓋コンポーネントのデザインが挙げられ、術者側の要因としてはアプローチ、体位、軟部組織バランス、術者の経験が挙げられる。イギリスでは側方アプローチについで後方アプローチがよく使われる。スエーデンの国家レジストリーでは後方アプローチは脱臼の危険因子であると報告されている。近年、大径骨頭の使用が増加している。これは脱臼防止を意図したものである。2003年には36ミリ大径骨頭の使用は1%に満たなかったものの2010年には28%まで増加している。術後1年半までの報告では大径骨頭の使用は確かに脱臼を減少させている。以上の結果からすると小骨頭、後方アプローチの使用は打球のリスクを増加させていると言える。骨頭径の比較、アプローチのコンビネーションでの比較をした研究では後方アプローチにあわせて小径骨頭の使用は10年で12.5%もの脱臼がおこると報告されている。しかしながらこれらの報告では後方要素の再建がおこなわれておらず、26ミリから28ミリ骨頭の使用の間で6.2%から0.8%への脱臼率の減少が言われているもののより小さな骨頭でどうなるかということはわかっていない。また臼蓋コンポーネントの設置不良も脱臼の原因と鳴る。未だに理想的な臼蓋コンポーネントの設置位置には議論がある。本研究の目的は小骨頭を用いた後方アプローチTHAで横靭帯を指標として正しくコンポーネントを設置し、強固に後方成分を再建した場合の脱臼率について報告することである。
手術方法
外旋筋群と関節包は一塊として大転子から切離。横靭帯を指標として臼蓋コンポーネントを設置。40-45度の外方開角、10度の前方開角を目標にして臼蓋コンポーネントを設置。外旋筋群と関節包は大転子に穴をあけてほう着。
結果
4例の脱臼で全て前方脱臼が認められた。0.78%。
考察
歴史的にTHAの脱臼率は1%未満から9%以上まで差がある。0.78%という我々の数字はあらゆる報告の中でも優れた部類に属する。以上から小骨頭、後方アプローチの影響はないものと思われる。横靭帯を指標にして臼蓋コンポーネントを設置すると良い。また後方要素の再建を行うと脱臼率が4.5%から0.5%に下がるとするシステマティックレビューがあるのでこれも行うべきである。
今までの後方アプローチの報告では後方要素の再建を行なわずに脱臼している例が多いので、後方要素の再建は行うべきであろう。
大径骨頭を用いると関節可動域が増加し、ジャンピングハイトが増加し、インピンジメントしにくくなるといったメリットがある。しかしながら大径骨頭ではいまだにポリエチレンウエアが増加する危惧を払拭できない。
この研究は単施設で一人の術者の監修のもとで行なわれたケースシリーズである。今後はRCTも考慮すべきであろう。
結論として後方アプローチ、小骨頭を使用しても低い脱臼率を実現することは可能である。
<論評>
後方アプローチで後方要素を再建しないということはありえないと思ってました。苦笑。関節包と外旋筋群を一塊にして観音開きのように展開するのだと思います。
あくまでも「上手な術者が上手に行うと」低い脱臼率が実現したということです。RCTを行うと論文に書いて有りましたが、多施設で行うと予想としてはやはり小骨頭、後方アプローチはやや不利かなと。(僕自身は後方アプローチ、28-32骨頭派です。)
ポリエチレンウエアは骨頭サイズよりもクロスリンクかどうかの方が大きく影響していると思います。某メーカーで22ミリ骨頭はconventional polyetylene、28mmではhigh cross linkを発売しております。そうなるとHigh cross llinkのほうが摩耗が少ないのではないかと予想してます。材質の違いは骨頭径よりも大きく影響しているはずというのが僕の意見です。
人工関節はアプローチ、骨頭径よりも術者の技量をまず挙げて正確に設置することですよ。また再建できるものは再建して美しい手術をすることですよ。というメッセージと受け取りました。
最近のはやりだった大径骨頭、前方進入じゃなくてもいいんじゃね?という論文。
僕の個人的な経験として、上手な先生の後方進入は確かに脱臼しないんですよね。
猫もしゃくしも。。。。に一石を投じたという意味で面白いかと思って読んでみました。
抄録
長期の成績が明らかになっていないにもかかわらず、最近THAでは大径骨頭が使用される頻度が増加している。これは脱臼の防止に有効であるという観点からである。しかしながら、後方の関節包の再建は大径骨頭にするとの同じくらいの効果が有るのではないかとこの筆者らは考えている。2004年から2011年までに512例のセメントTHA。22ミリ骨頭を使用。臼蓋の横靭帯を指標にしてできるだけ正確にコンポーネントを設置。平均年齢67歳。平均フォロー期間は2.8年。術前術後のOxford Hip Score、SF12,
UCLAスコアを聴取。他覚的評価はAngeles Merle DAuiigneスコアを使用。カップの設置角をデジタルに計測。脱臼は4股、0.78%であった。結論として22ミリ骨頭、後方アプローチで会っても正しいカップ設置と関節包の再建で脱臼率は低くすることができる。
はじめに
脱臼はTHAの中で最も重要な合併症のひとつである。反復性になった場合にはその治療に難渋する。脱臼の約半分が術後3ヶ月以内に起こり、そのうちの35%から60%が反復性脱臼に移行する。脱臼の病因として考えられていることは、患者側の要因としては年齢、神経学的疾患が併存症として存在すること、軟部組織バランスが悪いこと、術前の関節可動域が良いことなどが挙げられる。インプラントの要因としては骨頭径、臼蓋コンポーネントのデザインが挙げられ、術者側の要因としてはアプローチ、体位、軟部組織バランス、術者の経験が挙げられる。イギリスでは側方アプローチについで後方アプローチがよく使われる。スエーデンの国家レジストリーでは後方アプローチは脱臼の危険因子であると報告されている。近年、大径骨頭の使用が増加している。これは脱臼防止を意図したものである。2003年には36ミリ大径骨頭の使用は1%に満たなかったものの2010年には28%まで増加している。術後1年半までの報告では大径骨頭の使用は確かに脱臼を減少させている。以上の結果からすると小骨頭、後方アプローチの使用は打球のリスクを増加させていると言える。骨頭径の比較、アプローチのコンビネーションでの比較をした研究では後方アプローチにあわせて小径骨頭の使用は10年で12.5%もの脱臼がおこると報告されている。しかしながらこれらの報告では後方要素の再建がおこなわれておらず、26ミリから28ミリ骨頭の使用の間で6.2%から0.8%への脱臼率の減少が言われているもののより小さな骨頭でどうなるかということはわかっていない。また臼蓋コンポーネントの設置不良も脱臼の原因と鳴る。未だに理想的な臼蓋コンポーネントの設置位置には議論がある。本研究の目的は小骨頭を用いた後方アプローチTHAで横靭帯を指標として正しくコンポーネントを設置し、強固に後方成分を再建した場合の脱臼率について報告することである。
手術方法
外旋筋群と関節包は一塊として大転子から切離。横靭帯を指標として臼蓋コンポーネントを設置。40-45度の外方開角、10度の前方開角を目標にして臼蓋コンポーネントを設置。外旋筋群と関節包は大転子に穴をあけてほう着。
結果
4例の脱臼で全て前方脱臼が認められた。0.78%。
考察
歴史的にTHAの脱臼率は1%未満から9%以上まで差がある。0.78%という我々の数字はあらゆる報告の中でも優れた部類に属する。以上から小骨頭、後方アプローチの影響はないものと思われる。横靭帯を指標にして臼蓋コンポーネントを設置すると良い。また後方要素の再建を行うと脱臼率が4.5%から0.5%に下がるとするシステマティックレビューがあるのでこれも行うべきである。
今までの後方アプローチの報告では後方要素の再建を行なわずに脱臼している例が多いので、後方要素の再建は行うべきであろう。
大径骨頭を用いると関節可動域が増加し、ジャンピングハイトが増加し、インピンジメントしにくくなるといったメリットがある。しかしながら大径骨頭ではいまだにポリエチレンウエアが増加する危惧を払拭できない。
この研究は単施設で一人の術者の監修のもとで行なわれたケースシリーズである。今後はRCTも考慮すべきであろう。
結論として後方アプローチ、小骨頭を使用しても低い脱臼率を実現することは可能である。
<論評>
後方アプローチで後方要素を再建しないということはありえないと思ってました。苦笑。関節包と外旋筋群を一塊にして観音開きのように展開するのだと思います。
あくまでも「上手な術者が上手に行うと」低い脱臼率が実現したということです。RCTを行うと論文に書いて有りましたが、多施設で行うと予想としてはやはり小骨頭、後方アプローチはやや不利かなと。(僕自身は後方アプローチ、28-32骨頭派です。)
ポリエチレンウエアは骨頭サイズよりもクロスリンクかどうかの方が大きく影響していると思います。某メーカーで22ミリ骨頭はconventional polyetylene、28mmではhigh cross linkを発売しております。そうなるとHigh cross llinkのほうが摩耗が少ないのではないかと予想してます。材質の違いは骨頭径よりも大きく影響しているはずというのが僕の意見です。
人工関節はアプローチ、骨頭径よりも術者の技量をまず挙げて正確に設置することですよ。また再建できるものは再建して美しい手術をすることですよ。というメッセージと受け取りました。
2014年9月24日水曜日
画像を使ってください
大腿骨頭壊死症の厚生労働省分類
Sugano, Nobuhiko, et al. "The 2001 revised criteria for diagnosis, classification, and staging of idiopathic osteonecrosis of the femoral head." Journal of orthopaedic science 7.5 (2002): 601-605.
を改変したものです。
上記論文を引用ください。
図は著作権はがみたけに所属します。お使いになりたい方は
gamitake1919あっとまーくgmail.com
までご連絡ください。
パワーポイントファイルをお送りしますのでそれを少しいじって使っていただければ著作権の問題をクリア出来ます。
Sugano, Nobuhiko, et al. "The 2001 revised criteria for diagnosis, classification, and staging of idiopathic osteonecrosis of the femoral head." Journal of orthopaedic science 7.5 (2002): 601-605.
を改変したものです。
上記論文を引用ください。
図は著作権はがみたけに所属します。お使いになりたい方は
gamitake1919あっとまーくgmail.com
までご連絡ください。
パワーポイントファイルをお送りしますのでそれを少しいじって使っていただければ著作権の問題をクリア出来ます。
がみたけ 英語論文 投稿への道 その1
こんにちわ。管理人です。
論文を読んでケチを付けるだけではなく、論文を投稿するほうに回らねばと勢い込んで半年。ようやく投稿までたどり着きました。(投稿であって掲載ではない。)
ちょっとしたことが論文投稿のイライラにつながることがわかったので、メモ的に残しておきまする。
1,Figure と Tableはちがう。
Tableは図にせずに、Wordで作ればいいんですね。初めて知りました。
2, Figureの解像度には注意が必要。
現在裕福なラボにいるため、Photoshop, Illustoratorが使えます。
画像は300dpi以上を要求されます。そこでphotoshopが大活躍。
photoshop ー> fileをひらいて、 ー>
すべてを選択 ー> イメージのなかの画像解像度をクリックして、解像度を 300dpiに設定するだけ。
3 グラフの解像度調整はマックよりもWindowsの方がよい?
白黒グラフでは1,200dpiというかなり高画質を求められておりました。TIFFにするとめちゃんこでかいファイルに。epsというファイル形式にすれば良いらしいと学びました。
マックを使っていますけど、グラフをPDF化して保存。 PDFをillustratorで開く。 その上でEPS形式で保存しなおせば良いらしいですが、ホントに大丈夫かどうかは投稿してからのお楽しみ。
論文を読んでケチを付けるだけではなく、論文を投稿するほうに回らねばと勢い込んで半年。ようやく投稿までたどり着きました。(投稿であって掲載ではない。)
ちょっとしたことが論文投稿のイライラにつながることがわかったので、メモ的に残しておきまする。
1,Figure と Tableはちがう。
Tableは図にせずに、Wordで作ればいいんですね。初めて知りました。
2, Figureの解像度には注意が必要。
現在裕福なラボにいるため、Photoshop, Illustoratorが使えます。
画像は300dpi以上を要求されます。そこでphotoshopが大活躍。
photoshop ー> fileをひらいて、 ー>
すべてを選択 ー> イメージのなかの画像解像度をクリックして、解像度を 300dpiに設定するだけ。
3 グラフの解像度調整はマックよりもWindowsの方がよい?
白黒グラフでは1,200dpiというかなり高画質を求められておりました。TIFFにするとめちゃんこでかいファイルに。epsというファイル形式にすれば良いらしいと学びました。
マックを使っていますけど、グラフをPDF化して保存。 PDFをillustratorで開く。 その上でEPS形式で保存しなおせば良いらしいですが、ホントに大丈夫かどうかは投稿してからのお楽しみ。
2014年8月23日土曜日
20140823 BJJ Pre-operative function, motivation and duration of symptoms predict sporting participation after total hip replacement
<論評>
原文を引いていただくとわかりますが、図の中の数字のミスが多発。本文中の数字と図の数字が違っています。表1の意味なんかもまったくわからないですし。。
なんでこの論文が載ったのかまったくわからないレベルです。読んじゃったけど。(苦笑)
THAとスポーツについて調べているヒトが参考文献を探すのに役に立つ程度の内容でしかありません。
術前の機能、モチベーション、症状の持続していた期間がTHA術後のスポーツ活動に影響を与える。
今までにTHA後のスポーツ活動レベルについて述べた報告はほとんどない。本研究の目的はTHA術後のスポーツ活動レベル、第二にスポーツ活動を再開するかどうかに影響する因子はなにか、第三にスポーツを満足度との間に関連があるかどうかを調べることである。後ろ向き、815例の検討。1995年から2005年までに行なわれたTHAを対象とした。自己記入型アンケートにてスポーツアクティビティについて聴取。571例について検討を行った。平均フォロー期間は9.8年。366例がUCLAスコア5以上のスポーツアクティビティに復帰していた。スポーツを控えた主な理由は脱臼が怖いと回答したのが65例31.6%、摩耗しないようにしたいというのが52例25.4%、術者に辞めるようすすめられたというのが34例16.6%であった。術後スポーツに復帰するための因子は、術前のharris hip scoreが高いこと、スポーツに対するモチベーションが高いこと、罹患期間が短いことであった。年齢とUCLAスコアと術前のharris hip scoreと満足度との間には相関が認められた。
結論としてTHA術後に多くの患者がスポーツに復帰していることがわかった。参加レベルは術前の機能、モチベーション、罹患期間が短いことと関連しており、また術後の満足度とも相関していた。
はじめに
THAは整形外科手術の中でももっとも成功しているもののひとつである。THAは今後手術数が増加することが予想され、疼痛除去だけでなくより高いスポーツレベルへの復帰も求められている。多くの患者の作成したウエブサイトをみると、THA後のスポーツ復帰が重要であることがわかる。しかしながら今までTHA後にスポーツにどの程度、どのレベルで復帰したかという報告はない。多くの研究ではTHA後にスポーツに復帰したかどうかのみを調査しており、実際にどの程度活動しているかを調べた報告はない。本研究の目的はTHA後にどのレベルで復帰しているかを調査し、その次にスポーツ復帰が可能であるかの術前予測因子を明らかにし、第3にTHA後にスポーツをしているかどうかと患者満足度の相関を調査することである。
対象は1995年から2005年までにOA、IONなどに対してTHAを受けた1084例のうち回答が得られた815例。
この内の70%、571例から完全回答を得た。(図1)
ワトソンジョーンズアプローチ。セメントレスインプラント。UCLAスコア、HOOSを聴取。
2007年の段階で患者たちはどの程度スポーツに参加しているかを調査されていた。またスポーツに対する意欲、満足度もアンケート調査
平均61.3歳。平均BMI27、平均罹患期間は41ヶ月。アンケートまでの平均フォロー期間は10年。
THAに至った理由は疼痛が84.9%、ADL制限が61.9%、ROMの制限が42.9%、医師に勧められたのが30.9%、スポーツへの復帰を希望するのが23.9%であった。
結果
366例の患者がUCLAスコア6位上のスポーツへの復帰が可能であった。平均UCLAスコアは6.8であった。(図2)
HOOSはスポーツが81、疼痛が81.3、症状が88、ADLが85.2、QOLが82.8であった。(図3)
スポーツに復帰しなかった理由は脱臼が怖いのが31.7%、摩耗をさけるためが25.4%、医師の指示にしたがってというのが16.6%、こわばりが16.6%、痛みの残存が11.7%であった。(図4)
AAHKSのオススメでオススメ出来ないスポーツに復帰している患者が全体の26.6%であった。復帰したスポーツはジムが72.4%、ストレッチが63.9%、スイミングが57.5%であった。バスケット、サッカー・テニス、ゴルフ、セーリングなどのスポーツは控える傾向にあった。(表1)
術後スポーツに復帰するかどうかの術前の因子は、術前のHHSが高いこと、スポーツへの復帰の意欲が高いこと、手術までの罹患期間が短いことが挙げられた。HOOSのスポーツスコアとUCLAスコアは関連を認めなかった。
THA術後88.9%の患者が満足していた。年齢、UCLAスコア、HHSスコアが満足度と相関していることがわかった。(表2)
考察
THAの患者さんのなかの何割かはスポーツに復帰することが目的という人もいる。スポーツへの復帰はTHAを受ける理由のうちの一つとなる。今までにTHA術後のスポーツへの復帰についての調査がある。またエキスパートによるrecommendationもある。TKA術後のスポーツ復帰についての報告は多数たるものの、THA術後のスポーツ復帰の報告は少ない。術者のしらないところでTHA術後の患者さんはスポーツに復帰し、またそのような患者さんは高いモチベーションを持っているものと推定された。本研究はいくつかのlimitationがある。ひとつは後ろ向き研究である。回答が得られた例はより熱心な例であるバイアスがかかっている可能性がある。しかしながら本研究では術前のアクティビティを取得してあったのでその問題は回避できているかもしれない。第2のlimitationはスポーツアクティビティについての強度、期間などを聴取できていないことも問題である。これはUCLAスコアでは一応スポーツの頻度も聴取されているので解決出来ている問題と考える。
THA術後にhigh impact sportsを行うことの潜在的な危険性が指摘されている。ジョギング、バスケットボールなどはコンポーネントが破損する可能性が高いので禁止したほうがよいとする報告がある。一方スポーツをすることでbone ingrowthが進み、健康全般には良い影響を与え、肥満を防止できるのでは無いかとする報告もある。本研究で明らかになった重要な点は患者は術者の指示を無視して高いレベルの運動に復帰している可能性があるということである。
平均のUCLAスコアは6.8であった。これはサイクリングのような運動を定期的におこなうことができるレベルである。この値は他の報告とほぼ一致している。復帰率は多の報告で76%とされている。本研究も同様であった。27%の患者が推奨されないスポーツを行った。
THA後にスポーツを行う人は高いモチベーションと高い期待感を持った患者さんであると考えた。TKAの場合でも同様の結果であるという報告があった。男性であること、痩せていること、術前のUCLAスコアが高いことが術後の復帰因子であるとする報告がある。THA術後の患者でもUCLA7位上にたもっている患者が全体の12%いたとする報告がある。本研究とこの報告との違いはフォロー期間によるものでは無いかと考えている。
術前の期待度が術後の満足度と関連するとする報告がある。本研究では若くて活動性の高い患者では満足度が低くなるという相関を認めた。これは高い運動能力をもった患者では術後も同様の能力を期待するからであろう。
術後6ヶ月間は運動を禁止している。また32ミリのセラミック骨頭とハイクロスリンクのポリエチレンを使用している。摩耗量は荷重と活動性に関連するであろう。
多くの患者がスポーツに復帰することがわかった。スポーツ復帰の予測因子は術前機能と罹病期間であった。満足度とスポーツ復帰は関連した。患者にこのような情報を与えることは重要なことである。
2014年8月19日火曜日
20140819 Annals of Internal medicine One-Year Outcome of Subacromial Corticosteroid Injection Compared With Manual Physical Therapy for the Management of the Unilateral Shoulder Impingement Syndrome
<論評>
RCTってしっかりデザインすれば結構簡単にできるんじゃね?しかもImpact factor 16!の雑誌に載るなんて素敵じゃね?ということで読んでみました。
日常の疑問を研究にする。これが基本かもしれません。
抄録
肩のインピンジメント症候群に対してステロイド注射、理学療法はともに治療として用いられるが今までにその2つを比較した報告はない。本研究の目的はこの2つの治療法のいずれが有効かということを比較することである。無作為割付、シングルブラインド、による並行比較試験。セッティングはアメリカの軍人病院ベースの外来患者を対象としている。2010年から2012年まで。18歳から65歳までの104人の片方の肩関節インピンジメントの患者。2群に分け一方には40mgのステロイドをSABに注射。もう一方は6つのセッションからなるリハビリテーションを行った。プライマリーエンドポイントはShoulder pain and disability score(SPD)の評価。セカンドアウトカムからGlobal rating system、NRSによる疼痛評価を行った。結果、2群とも1年でSPDは50%程度回復した。2群間に差は認めなかった。GlobalRatingシステム、NRSによる疼痛評価は2群とも改善を認めたが、2群間に有意差はなかった。1年後のフォローアップで、注射群のほうがより頻回にクリニックを受診していた。(60%と37%)。さらなる注射を必要とした例は38%と20%。19%が理学療法を行った。肩関節へのステロイド注射の合併症は注射するときのいたみだけであった。Limitaitonは1施設による検討であること結論 2群とも有意に改善を認めた。リハビリ群はステロイド注射群に比べて医療機関の利用回数が少なかった。
はじめに
肩関節インピンジメント症候群は肩周辺の腱板損傷、腱板炎、肩関節内の関節包炎などを包括している用語である。一般に5-30人/1000人年に発症するとされている。
保存療法としてはステロイドの関節内注射、理学療法が行なわれる。肩関節下へのステロイド注射は整形外科医、リウマチ科医、一般医によっても最もよく行なわれる手法の一つであるがその長期的な硬化においては疑問がある。腱板断裂を伴わない腱板損傷の患者に対してのステロイド注射についてはガイドライン上でも推奨も否定もできないとなっている。近年のsystematic reviewでは肩関節インピンジメント症候群に対するステロイド注射については短期間での効果はありそうだということとなっている。一方、理学療法も肩関節インピンジメント症候群に対しては有効であると報告されている。最新の2つのシステマティックレビューでは理学療法の意義についてははっきりとしたエビデンスがなく、今後の研究が必要であると結論づけられている。肩関節インピンジメント症候群の患者ではどのタイミングでリハビリを開始したほうがよいかということも一定では無く、初診時に理学療法が行なわれるのは24%にすぎない。肩関節の注射ごのリハビリの効果の有無についての報告はいくつがあるものの、今までに注射とリハビリを直接比較した報告はない。本研究の目的は肩関節インピンジメント症候群における1年後の臨床評価の比較を行うことである。
方法
一重盲検無作為割付試験。プライマリーエンドポイントは1年後のShoulder pain and disability score。(SPADI)。セカンダリーエンドポイントとしてはGlobal rating scale of change(GRC) とNumeric pain ratio scale(NPRS)を用いた。その他臨床試験のお作法に従い、IRBの承認を得て研究を行っている。
Material and method
片方の肩関節のいたみのためにMadigan Army Medical Centerの外来を受診した18歳から65歳までの患者。肩関節の脱臼、骨折、凍結肩の患者は除外。SPADIが20%以下の重症な患者、頚椎症が少しでも疑われるような患者、腱板断裂が疑われるような患者、訴訟を抱えているような患者、3週間の外来受診が困難な患者は除外した。患者は軍人とその家族である。研究に伴う患者の追加出費はないものとした。
一重盲検法。コンピュータによって無作為化された。被検者と治療者は治療方法を知っており、評価者のみが知らないという状態とした。一般医による治療を容認できる被験者を対象としている。
リハビリ群
初回のセッションではPTが身体所見をとる。リハビリ群の介入は関節と軟部組織のimmobilizationが主体である。ストレッチ、神経筋協働訓練、筋力強化訓練(肩関節周囲から脊椎まで)。被検者はまったく同一の治療を受けたわけではなく個々の障害に応じた治療を受けた。3週間にわたって週2回ずつ実施された。また自宅での訓練の方法も提供した。PTはすべてアメリカPT学会の認定を受けていた。
ステロイド注射群
SABに40mgのトリアムシノロンを注射した。被験者にはステロイド注射によって起こるであろう副作用についての冊子を渡しておいた。合計3回のステロイド注射が1ヶ月以上の間隔を開けて実施された。患者には自宅での振り子運動を指導された。
患者は少なくとも最初の1ヶ月はできるだけ病院に来ないように申し渡されていた。施術後1,3,6ヶ月で追加治療を希望する際の連絡先を書いた紙を渡された。連絡すると研究のコーディネーターが出て、リハビリ群は更にリハビリを頑張るように、注射群はもう一度注射に行くように説得するような仕組みになっていた。もし患者が最初の紹介医のところに戻りたいと希望した場合には紹介医のもとでベストと思える治療が行なわれるようになっていた。
アウトカムとフォローアップ
アウトカムは、1か月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後で行った。SPADIは100点満点の患者立脚型評価である。
GRCは患者が自分自身のQOLについて変化した具合を測定する方法。
NPRSとは0-10ポイントで患者が感じるいたみの程度を調査者が聴取する方法である。
リサーチアシスタントがブラインドでデータを集めた。データ収集後追加治療について記載した。家庭医、整形外科医、リウマチ科医の下を訪れた回数についても記載を行った。
統計学的評価
最初にSPADIでの変化量を予想してサンプルサイズを決定。43例で充分であると判断した。欠損データには多重代入法を用いた。95%信頼区間を用いて評価をおこなった。
結果
22ヶ月間の研究機関。242例の保存的治療の患者が抽出されたが、138例の患者が除外された。除外された理由は図1のとおりである。
表1に患者背景を占める。リハビリ群でステロイド注射群よりも喫煙率が倍高かった。
ステロイド注射群の全患者が少なくとも1回はステロイドの注射を受けた。38%の患者が2回以上のステロイド注射を希望した。リハビリ群では6患者が最大の6回のリハビリテーションを受けた。リハビリ単位数の最大は6,平均5.5であった。
1年後のアウトカム
図2参照。96%の患者が1年後の評価を受けにきた。いずれのグループもSPADIで50%以上の改善を認めていた。いずれの群がすぐれているということが言えなかった。それぞれの評価ポイントでの違いについて表2に示す。欠損値に対して統計学的処理を加えてもこの結果は変わらなかった。いずれの群でも有害事象は報告されなかった。
医療機関の利用について
図3に医療機関利用程度について示す。ステロイド注射群が医療機関を頻繁に利用した(60%)なに対し、リハビリ群では37%と低率であった。MPTグループはステロイド注射軍よりも追加治療としてステロイド注射を使用した割合が低かった(20%と38%)。本研究以外でも治療をうけた部分まで含めると、ステロイド注射群は合計4回注射を受けているのに対して、リハビリを受けた群で注射を受けた群は合計3回で、その割合も19%と9%とリハビリ群の方が少なかった。
考察
どちらの治療法をおこなっても1ヶ月で症状は有意に改善し、その後その状態が持続した。多くの報告が12週間程度の短期間の報告で、1篇だけが1年間の長期フォローの報告であった。コントロールのないケースシリーズの報告ではステロイド注射の1年後の満足度は88%であると報告されており、またメタアナライシスの結果では12週を過ぎると注射の効果がなくなるということを報告している。
ステロイドの関節内注射の長期成績は疑問視されていた。また同様に潜在的な有害事象が有ることも知られている。例えば上腕骨外上顆炎の患者で、ステロイドの局所注射、リハビリ、経過観察群、プラセボ注射群で比較すると短期的にはステロイドの局所注射群が最も効果的であるが、1年経過したところではプラセボグループ、経過観察軍よりも成績不良となる。本研究ではこれらの結果と異なる結果となった。しかしながらステロイドの関節内注射の安全性については未だに議論が残る。しかも症状の消失が病態の進行を抑えているわけではないことにも注意を要する。ラミレスらは腱板断裂が遺残していてもステロイド注射によって症状が消失する例があることを報告している。今後病状の進行についても両群間で比較を行うことが必要である。
長期間にわたってのリハビリの効果というものはよく知られている。しかしながら今回の結果ではステロイド注射群と同様の成績であった。よく似た研究としてはステロイド注射群と鍼治療を行った群での1年後の比較であった。2群とも改善を認め、その改善度には2群間で有意差を認めなかった。本研究とはアウトカムが異なるため一概に同一の結果とは言えない。他にもグループ単位でリハビリを行った群とステロイド注射群との間に差がなかったとする報告がある。
ステロイド駐車群では医療機関を受診する回数がリハビリ群よりも多かった。ステロイド注射群の38%が2回以上の追加注射を必要とした。一方、MPTグループの20%がステロイド注射を追加で受けた。リハビリグループは追加の維持リハビリを要求されることはなかった。リハビリ群の4患者が追加リハビリを、ステロイド注射群の10患者が追加リハビリを希望した。この追加リハビリによってより疼痛、昨日の改善をみた。
肩の状態に関連するその他の因子としては社会、精神的な問題、恐怖心、疼痛回避のためにある動作を取らなくなることなどが挙げられる。また肩の痛みは不眠と関連している。これらの患者は肥満で有ることが多いが、本研究で2群間の肥満の程度には代わりがなかった。またタバコの使用も肩の痛みにつながることが知られている。リハビリ群の方が喫煙者は多かった。また軍の訓練経験者がリハビリ軍よりもステロイド群で多かった。軍隊での修練が肩の痛みに影響を与えている可能性もある。しかしながら軍退役後20年ということは、引退は38歳ということになり、退役した年齢よりも高いため関連は薄いものと考える。
ステロイドの関節内注射は比較的安全であった。有害事象としては一時的な痛み、皮膚の色素沈着が認められた程度であった。ステロイドの関節内注射によって腱板の全層断裂が引き起こされる可能性がある。リハビリではそのような有害事象についての報告を認めなかった。これは一つに注射を嫌がるヒトは本研究の選定段階で除外されていることも関連するのかもしれない。リハビリはより危険の少ない方法であるといえる。
本研究にはいくつかのlimitaionがある。一つは患者、医師ともブラインドがかかっていない状態で治療を行っていることである。これは介入としてリハビリを行うため仕方ないのであるが、そのため本研究は一般的な外来診療と異なるサンプルを対象としてしまっている可能性がある。また幾人かの患者はすでにリハビリを受けて閉まっていた。また注射を希望しないということで研究から除外された患者はすでにリハビリを受けていたということもバイアスがかかっている一つの証左である。
その他のlimitaitonとして肩関節インピンジメント症候群の診断の問題がある。本研究では以前報告された方法を用いて肩関節インピンジメント症候群と診断した。画像を診断に用いると、とくにMRIで症状がないのに異常所見が認められることがある。またdrop arm signがない症例を対象とした。これは全層の腱板損傷の患者を除外するためである。ステロイドの局所注射、リハビリともに腱板の全層断裂に有効である可能性がある。本研究ではより患者の層を均質化するためにこれらの患者を除外した。コクランライブラリーでは大きな腱板の全層断裂では治療方針が変更される可能性があるのでスクリーニングが必要であるとしているが、本研究では腱板断裂の患者でも比較的容易に症状が改善したため、この意見には疑問が残るとかんがえる。SABへのステロイド注射は肩関節インピンジメント症候群のひとつの診断要件であるからだ。
ひょっとしたら軍人保険外の範疇で何かの治療を受けたかもしれない。しかしながら軍人保険システムはすべての医療費を賄うようになっており、それ以外の治療を受けた可能性は低いものと考える。また本研究ではフォロー時に余分な何かの治療を受けたかどうかを聴取している。
今後の研究課題としては肩関節インピンジメント症候群の新規の症状についてリハビリ群とステロイド注射軍との間で比較することである。またよりよい治療介入の時期についても検討を要する。
リハビリとステロイドの局所注射ではほぼ同様の治療成果をあげた。しかしながらステロイド注射群の方が受信回数が多かった。どのタイミングでどの治療法を提供するとよいかということの検討が今後必要である。
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